現象に懲りすぎ
練習よりネタ? (2005/11/5)
中には数年かけないとできないような技もありますが、同じような現象が1000円くらいのネタでできる物もあります。いい例が、スベンガリ デック(商品名はミステリーカード(リンク先はAmazon))です。いろんな見せ方がありますが、予言のマジックとして、封筒に一枚の予言を書いておき、それを客に持ってもらい、一枚ずつ一組のトランプからカードを机に置いていき、好きなところでストップをかけさせると、それがその予言と一致するというものです。シンプルですが、非常に不思議な現象です。マニアになると簡単すぎて、軽視しがちですが、やはり見るのは客ですので、客にとってどう見えるかと言うことは常に頭において置く必要があると思います。もちろん、マニア受けするマジックも大事で、鍛錬する価値は十分ありますが、見せる時にマニア相手なのか、一般客相手なのか、それだけは常に頭にいれておかないと、せっかくのマジックも十分効果を発揮できないことになりかねません。
マジック道具の買いすぎに注意 (2005/11/5)
僕自身も含めてアマチュアマジシャンほど、一つのネタに満足できず、一つのネタが不十分のまま、次から次へといろんなネタ探しをしてしまうのではないでしょうか。前田さんのカードマジックはすごいですが、逆によくあれだけ同じネタを何度もテレビでできるなと思います。やはりそれだけ完成度が高いので、下手に新手順をやるより今までのネタをやった方が、一度見たことある人も逆に楽しませることができるのでしょう。見る方は見たことがあったとしてもせいぜい2-3回なので、そんなにしっかり覚えているわけでもありませんし、多少同じネタを見ても同じように驚きますが、練習に練習を重ねていると演じる自分の方が先に自分のネタに飽きてしまうのではないでしょうか。やはり、もう一度自分の完成した手順を大事にし、そこから、1/10くらいずつ新しいネタにチャレンジしていけば良いのでしょうね。
テレビとマジック (2005/2/19)
最近はテレビでマジックが放映されることが多いのですが、テレビではやはりマジックの楽しさは十分伝わらないと思います。僕も一度クロースアップマジシャン前田さんの演技を目の前で見たことがありましたが、カードチェンジを目の前で見せられて、本当に魔法かと思いました。後から冷静に考えると、たぶんあのようにやったんだろうと思ったのですが、その時は、全く分かりませんでした。結局、テレビでは、平面の画面として映され、またカメラマンの意思でアップにされたり、観客が移されたりしますので、どうしても、マジシャンのミスディレクション(意識の誘導)が十分に見ている側に効かないということがあります。生で見ると、ものすごい力で、右へ左へと、自分の意識が相手の自由自在に誘導されているのが分かると思います。
マジックはよく指先の器用さが一般的には言われますが、最も大事なのは、意識の誘導法(ミスディレクション)です。いくら素早い動きでも、人間の目にかないません。しかし、意識をうまく誘導することで、大変ゆっくりとした動作でも、客には全く気づかれないということがよくあります。実はこのようなことは、日常生活にいくらでもあります。具体的に言いますと、あるものに集中している時には、明らかに見える角度であっても全く見えないと言うことです。この意識の盲点に、交通事故を起こしたり、海外でものをすられたりするのではないかと思います。マジシャン的な視点から、僕はこういった盲点が普段気になるので、運が悪ければ誰でもミスや事故を起こしうるだけに、いつもこわいなと思っています。意識の誘導法を巧みに利用したマジックを、このホームページ内の「即席マジック講座」で解説しています。一度やってみると言っていることがよく分かると思います。
・・・・・ミスディレクションについては「マジック上達の秘訣」でより詳しく解説しています。
頼まれる機会は多いのですが、大変難しいのが結婚式のマジックです。メインは新郎新婦ですのでマジックが余り目立ってはいけないと思いますが、また新郎新婦からは、できるだけ派手にやってほしいと言われたりします。もちろん、割れる、消える、散る、浮くマジックは良くないでしょうし、できるだけ、紅白でおめでたくしめるいうと、できるマジックは限られてきます。最初頼まれた時に、主催者(新郎新婦)側の希望するマジックのイメージを、よく聞いておく必要があると思います。
テンヨーマジックフェスティバル2003(東京日本橋三越百貨店)
ここで、島田晴夫さんの生の演技をみる機会に恵まれました。さすがに、プロの中のプロでした。演技は静かで、派手な動作ではないのに、そのちょっとした仕草にみんなの視線がぐいぐいと引き込まれていきました。神様のような人でした。鳩だし、四つ玉など感動しました。