次に、どんな本がよいかと言うことですが、全くの初心者なら、「奇術入門シリーズ トランプマジック(東京堂出版) 」、「奇術入門シリーズ カードマジック(東京堂出版) 」がおすすめです。前者はよりやさしいマジック(技法は少なめ)で解説は丁寧、マジックに対する考えなどが所々にちりばめられており読み応えもあります。後者はやさしいマジックから技法を使った本格的なマジックまで解説があり、有名な技法についても一通り解説があります。どちらも見た目は白黒で地味な本ですが、分かりやすく、傑作マジックが詰まった、読めば読むほど味が出る本です。ほとんどのマジシャンがこれらの本を薦めます。また最近出た本ですが、前者と同じ著者の「ステップアップ・カードマジック(東京堂出版) 」は、解説も丁寧で、読みやすく、紹介されているマジックも簡単で相手を大きく驚かして楽しませることの出来るマジックが多く、おすすめです。いろんな技法の解説もあり、次に進むきっかけにもなると思います。
さて、本を買ってどこから読もうか迷うところですが、まずお気に入りのマジックを見つけて、そこに出てきた必要な技法から少しずつ覚えていけばよいと思います。といってもどれから初めて良いか分からないと言う人のために、僕のおすすめの簡単カードマジックを二つ教えます。どちらも特別な技法は必要ありません。
最初のマジックは僕が小学校5年生の頃に友達が、お父さんに教えてもらったと言って見せてくれたマジックで、とても不思議でずっと忘れられないマジックでした。つまり小学生でもできる簡単手品ですが、インパクトのある良い手品です。(これは、前者の「トランプマジック(東京堂出版)」にはp99に「ヒョッコリ現れる"3"」として、また後者の「カードマジック(東京堂出版)」にはp38に「類は友を呼ぶ」として、また後に解説する「カードマジック事典(東京堂出版)」にはp213に「ひょっこり現れる3」として解説がいずれにもあります。ただ、事典の解説は簡単すぎて、初心者には分かりにくいと思います。)
new 参考に・・・ジョン・スチュアート・スミスの傑作「ヒョッコリ現れる"3"」の動画(演技のみ)
もう一つ上げておくと、現代奇術の傑作と言われる「Out of This World」です。これは高校生の頃、友達が見せてくれたのですが、やはり全く分からず大変不思議で、いつまでも記憶に残っていた手品です。前者よりはちょっと難しいですが、技術は不要です。(「トランプマジック(東京堂出版)」にはp25に「赤と黒」として、「カードマジック(東京堂出版)」にはp68に「アウト・オブ・ジス・ワールド」として、また「カードマジック事典(東京堂出版)」にはp231に「赤と黒」として解説がいずれにもあります。やはり前から順に解説は丁寧です。)